清閑亭 ~邸園交流でまちづくり~

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毎日新聞神奈川版で紹介されました!

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毎日新聞2010年11月19日朝刊

 ※文末に紙面のコピーがあります。
  写真は取材を受けました夏の時分かと。
  半袖、半ズボン姿(清閑亭倶楽部のS氏)が今では夢のよう。
  清閑亭はしんしんと冷え火鉢の恋しい今日この頃です。


「消え行く湘南の歴史的建造物 危機感抱く自治体」

◇保全へNPOと連携
 明治期以降、政財界人や文化人が湘南地域に建てた別荘などの歴史的建造物が、維持管理の難しさから次々と姿を消している。危機感を抱いた自治体 が観光資源として活用するケースも出始め、県も保全のための人材育成を始めている。「湘南の邸園(邸宅と庭園)」として全国的にも知られる現場を歩いた。【松倉佑輔】

 ◇継続的な運営模索
 明治時代に海岸保養施設が多く作られた小田原市。小田原城三の丸の一角にある貴族院副議長を務めた黒田長成侯爵(1867〜1939)の別荘 「清閑亭(せいかんてい)」は、竹林に囲まれた数寄屋造りの和風邸宅だ。

 1906(明治39)年に黒田家が土地を取得、戦後は企業の保養所などとして利用されていたが、10年前から使われなくなった。08年に市が取 得し、今年からNPO法人「小田原まちづくり応援団」が管理、運営に当たる。週末の一般公開のほか、コンサートや月見などのイベントを企画し、毎回ほぼ満員となる。

 NPO副理事長で日本女子大学講師の平井太郎さん(34)は「初めて足を踏み入れた時はボロボロだった。今では呼吸しているよう。建物は使われ て初めて生きていく」と実感している。

 悩みの種は運営費だ。事務局の人件費は3人で年間約800万円。建物や庭の修繕、管理、耐震化費用などを合わせると、初期費用だけで数千万円が 予想される。建物自体は無料開放し、小田原市内の他の観光スポットとともに見学場所に組み込んだ有料ツアーからの収入はあるものの、十分ではない。来年度まで支給される県からの補助金が終わった後も持続的に運営するため、将来の有料化も含めてそれに見合った企画などを模索している。

 ◇復元を本格化
 茅ケ崎市中海岸の旅館「茅ケ崎館」は1899(明治32)年開業の老舗。映画監督の小津安二郎氏(1903〜63)が1946〜55年に定宿と して度々逗留(とうりゅう)した。「晩春」「麦秋」「東京物語」など代表作の脚本をここで執筆した。

 09年1月、市で初めて国有形文化財に登録された。経営する5代目の森浩章さん(36)は3年前から、建物の歴史的な風合いを維持するため復元 作業を本格化させている。窓枠をアルミから木枠に替えたりしているが、充てられる費用は年間200万〜300万円が限度。森さんは「50歳くらい までに終えることができればいいが……」と話す。

 活弁映画の上映会など小津氏や旅館ゆかりの文化人のイベントを積極的に行う森さんは「イベントも建物あってのもの。茅ケ崎は海だけでないとア ピールし、歴史と空間が感じられる観光地になるべきだ」と力を込める。

 ◇姿消す「湘南邸園」
 明治から戦前までに湘南にできた建物などを「歴史的建造物」と定義し、県は今年1〜3月、相模湾を臨む湘南地域14市町での保存状況の追跡調査 を初めて実施した。その結果、367軒(84年)あった洋風建築は158軒に、和風建築は1308軒(00年)から841軒にまで減っていた。

 固定資産税や管理維持費が負担となり、相続の際、土地を分割してマンションや駐車場になったケースが目立つ。地域のNPOが企業から委託を受け た例もあったが、「古い建物は地震があったら危ない」と近所の住民から苦情が続き、再び休眠状態となった例もある。自治体の財政難で、清閑亭のように小田原市が買い取るのはレアケースといえる。

 ◇保全スタッフ始動
 県では、まず建物の価値を正確に把握し、地域に伝える人材が必要と考え、主に建築士を対象とした「邸園保全活用推進員」(ヘリテージ・マネー ジャー)の養成講座を昨年から始め、約40人が修了した。所有者には改修の提案や、手続きが専門的で敬遠されがちな国有形文化財登録についてもアドバイスしており、湘南地域での保全活動の中心として期待されている。

 県都市整備課の担当者は「湘南というブランドがあるため、これまで地域の危機感が薄かった。歴史を空間として残す努力を続けていきたい」と話した。


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by machien5 | 2010-11-19 22:54 | 小田原の邸園から | Trackback